第3回 アメリカの年金 – 日米社会保障協定と老後資金

日本とアメリカは 社会保障協定 を結んでおり、派遣期間が5年以内の場合、原則として日本の公的年金と健康保険に加入し続けることでアメリカの社会保険(FICA税)の支払いが免除されます。

しかし・・・5年を超える可能性があるのであれば、少しでも会社に払ってもらうようにしてください!

なぜなら、アメリカの年金も受給できるようになるからです。

アメリカの年金制度の基本

● 必要な加入期間(クレジット制)

  • アメリカでは年金受給資格に「40クレジット(約10年)」が必要
  • 1年間フルで働いて社会保障税(FICA)を支払えば最大4クレジット得られます。
  • よって、10年以上の就労(フルタイムで)=受給資格あり

● つまり…

  • 1〜5年しか働かない場合、原則として年金は受け取れません(資格未達)

例外:日米社会保障協定の適用

駐在員にとって重要なのがこの協定:

日米社会保障協定(2005年発効)

  • 両国での二重払いを防止するための協定。
  • 日本の厚生年金加入期間と合算(通算)できる
  • これにより、アメリカ単独では10年未満でも、日本の加入期間と合わせて40クレジット以上になれば、受給資格が発生

仮定のシナリオ:受給資格あり+支払年数別の想定受取額

以下は「通算資格あり(日本と合算で40クレジット超え)」という前提で、実際にアメリカで支払った期間ごとの受給額の目安です。

米国での支払年数想定年間収入(給与$70,000)月額受給額の目安(67歳時点)
1年(4クレジット)$70,000$80〜$100程度
2年(8クレジット)$70,000$150〜$200程度
3年(12クレジット)$70,000$220〜$280程度
4年(16クレジット)$70,000$300〜$360程度
5年(20クレジット)$70,000$400〜$450程度

(つづきはこちら)第4回:ホームリーブ(帰国手当) – いつ帰れる?どこまで会社負担?